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Perfect Moment

人生を変えたインドでの暮らし

· インスピレーション

2006年、車両道路も携帯電話もなく、牛で畑を耕し、上下水道の設備もない、プラスチックすら最近やってきたインド北部のヒマラヤ山脈の山。

朝2人の子どもたちは1時間もかかる山道を下山してバスに乗り学校へ行き、小さな2人は祖父母に預け、夫婦は僕を連れて家からは離れた畑へ行く山道を歩きながら野草やキノコや、火を焚きチャイを飲み、畑仕事をする。

美しい夕日とともに一日の長い仕事を終え

木組みに石を積み重ね、牛の糞と土で作った壁の電気もない小さな畑仕事の小屋

板の隙間から下の牛が見えそうな2階で夕飯のダル(豆カレー)をコトコトと煮込む焚き火を囲んでいた。

友人の夫は、クルクルとスプーンを回しバターを作り、妻はサリーの上にまとった手織りのショールを留める安全ピンで、昼間手の指に刺さった木を取りながら、他愛ない話をしていた。

僕は、自分のヘッドライトを差し出し、彼女は受け取ったけれど、本当は必要なかった。

夫は、花ではなく、焚き火のための薪を集めて妻に渡す、何より素晴らしいプレゼント。

支え合い生きる二人は、焚き火に照らされ、とても美しかった。

夫と妻、二人の愛と人生への情熱を感じ、心が満たされ喜びを感じるパーフェクトな一時は、彼らにとっては毎日に続くただの一晩だったけれど、僕にとっては人生に衝撃を与える経験となった。

体を動かし鍛えるハードワークをした一日の終りに、火を囲み飲む温かいお湯や、季節の野菜や豆を煮込んだなご飯だけで、とても満たされた幸せな気持ちになり、有り難く大切さに気づく日々。

兵役を終えた友人たちとバックパックを背負いインドの北部を旅した23歳、
滞在した9ヶ月間、自然の恵みとともに生き、常に火があるシンプルな暮らしを経験して

自分には、本当は多くのものが要らないことを知った。

だから僕は、昔の暮らしと知恵が詰まった古民家で、五右衛門風呂を焚き、薪ストーブを使う暮らしを通して、まだあの時の旅行の続きをしているようなインスピレーションを受けている。

だから僕は、シンプルだけれど機能的で実用的なモノを作る。

ずっと長く、世代を超えて使ってくれる、暮らしを豊かにするモノであるように、心を込めて作る。

だから僕は、あのインスピレーションや経験を、自分の暮らしや仕事を通してみんなにシェアしたい。

だから僕は、今の僕です。

あれから8年後の2014年、菜の花が一面に咲く美しい春に、あの小屋に、1歳になった息子とパートナーのアキコと3人で滞在しました。

車両道路が届く村も増え、携帯電話を持つようになっていたけれど、子供は増え、相変わらず牛で畑を耕し、火を焚きご飯を作る、ゆったりとした時間の中で、あの夫婦はシンプルで豊かな暮らしをしていました。

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